投稿日:

慢性疲労を放置しないで診察を

疲労感が継続したら慢性疲労?

朝起床した時に残る疲労感に対して、以前なら一晩寝たら疲れはとれたのにと感じる方もいることでしょう。
また忙しい日々の中で、少しのことで疲れやすくなった、夕方になるとドッと疲れが出るなど、以前と違う疲労を感じている人もいます。
このように、原因がはっきりとしない状態で疲労感が続くとか、回復しない場合は心と体からSOSが発せられるサインで、知らないうちに疲れが蓄積する慢性疲労状態に陥ってしまっている可能性が考えられるのです。
慢性疲労というのは、6ヶ月以上疲労が継続して一晩寝ても疲れがとれない状態で、厚生省が実施した調査では日本人の約3人に1人が慢性疲労を訴えているといった報告があります。
またIT化が進むことによりストレスが増したと言われていて、慢性疲労を訴える人の割合はさらに高くなる傾向にあるのです。

疲労にも様々な種類があって、内臓の疲れ・自律神経の疲れ・精神的な疲れ・肉体の疲れといった4つに大きく分類することができます。
そして、すべてが影響し合って出口の見えない疲労の悪循環につながるといった、典型的な現代人の疲労における負のループになるのです。
慢性疲労になると単に作業量や活動量の低下といった日常生活への影響だけではなくて、思考力や注意力の低下から事故を招く原因にもなります。
また安易に放置しているとうつ病などの心の病気や生活習慣病など、様々な疾患を誘発することにもつながるので、疲労感が継続したら医療機関における診察を受けることも大事です。

疲労の陰に潜む病気

慢性疲労は、このように病気につながることがありますが、それだけではなくてすでに発症している病気を知らせるアラームの可能性もあります。
放置しているとそれらの病気を進行させてしまう可能性があるので、その点からも疲労感を感じたら医療機関における診察を受けることが大切です。
疲労感が見られる病気としては、高血圧や低血圧、心臓や肺・呼吸器の異常、貧血、糖尿病、肝機能や腎臓の異常、甲状腺の異常、がん、ウイルス感染など数多くあります。
特に慢性疲労で恐ろしいのは、心にムチ打ち体を酷使して自覚のない疲労感により、やがて体が悲鳴をあげて心身症による急性心筋梗塞や狭心症を引き起こしてしまうことです。
こうした病気は血液検査や尿検査で調べられるので、疲れが長引く場合には医療機関を早めに受診して診察・検査を受けましょう。
それから、原因不明の強度の疲労が長期間継続する慢性疲労症候群は、体と思考力両方の激しい疲労に伴い日常生活を著しく阻害するので注意が必要です。